断熱等級6と7の違いは?九州で高断熱の家に2年住んだ実感と電気代

性能・住宅の基礎知識

結論から言います。断熱等級6と7の違いは、家の熱の逃げにくさを示す「UA値」の基準の差です。九州が入る6・7地域では、等級6がUA値0.46以下、等級7が0.26以下。数字が小さいほど高断熱です。国の最低基準(等級4)は0.87なので、6も7もそれをはるかに超える性能。我が家は等級6クラスの高断熱の家で九州に2年暮らし、実質の電気代は月およそ1.3万円、室温は一年中24〜25℃です。

いえお
いえお

「等級6と7、どっちで建てればいいの?」——家づくり中の友人によく聞かれます。数字の意味と、実際に住んだ体感の両方から整理しますね。

たてよ
たてよ

私は数字はちょっと苦手。だから「冬に半袖でいられるか」みたいな、暮らしの実感のほうを担当します。

※この記事の基準値は2026年7月時点の情報です。最新・正確な内容は記事末尾の公式サイトでご確認ください。

断熱等級6と7の違いは「UA値0.46か0.26か」で決まる

断熱等級(正式には「断熱等性能等級」)は、住宅がどれだけ熱を逃がしにくいかを国の基準で示したものです。2022年に、それまでの最高だった等級4の上に等級5・6・7が新設されました。

判定に使うのがUA値(外皮平均熱貫流率)。家全体から外へ逃げる熱の量を外皮の面積で割った数字で、小さいほど高断熱です。

九州の大部分が入る「6地域・7地域」での基準はこうなっています(国土交通省・住宅性能表示制度)。

断熱等級 位置づけ UA値(6・7地域)
等級4 省エネ基準(2025年4月から新築の最低ライン) 0.87以下
等級5 ZEH水準 0.60以下
等級6 HEAT20 G2がベース 0.46以下
等級7 HEAT20 G3がベース 0.26以下

つまり等級6と7の違いは「UA値0.46以下か、0.26以下か」。等級7は等級6のほぼ半分しか熱を逃がさない、ワンランクどころか大きく上の性能です。

いえお
いえお

等級4が0.87、等級7が0.26。同じ「新築」という言葉でも、熱の逃げにくさは3倍以上違うということです。

九州は主に「6・7地域」|同じ等級でも地域によって基準が違う

断熱等級の基準は全国一律ではありません。日本を寒さのレベルで1〜8地域に分け、地域ごとにUA値の基準が決められています。1地域(北海道の寒い地域)が一番厳しく、8地域(沖縄など)が一番ゆるい設定です。

  • 九州の多くの地域は6地域・7地域です。この2つの区分は、等級4〜7のUA値基準が同じ数字になっています
  • 九州南部の沿岸部や離島の一部は8地域です
  • 8地域にはUA値の基準がそもそもなく、夏の日射をどれだけ遮るか(ηAC=冷房期の平均日射熱取得率)で評価されます。等級7は8地域には設定がありません

だから「九州で等級6」と言えば、多くの場合UA値0.46以下のこと。ネットでよく見る東京(6地域)の数字と同じと考えて、ほぼ間違いありません。

たてよ
たてよ

北海道と九州で、同じ「等級6」でも目指すUA値が違うのね。

いえお
いえお

そう。だから「九州の6・7地域なら等級6はUA値0.46」というふうに、地域とセットで数字を見るのが大事です。

等級4は最低ライン、等級5はZEH水準|6・7はそのさらに上

数字だけだと分かりにくいので、それぞれの位置づけを整理します。

  • 等級4=省エネ基準。2025年4月から、新築住宅はこの基準への適合が義務化されました。つまり今の新築の「最低ライン」です。かつては最高等級でしたが、いまは入口になりました。
  • 等級5=ZEH水準。省エネ設備や太陽光で「使うエネルギーを実質ゼロに近づける家(ZEH)」に求められる断熱レベルです。
  • 等級6・7=そのさらに上。民間の研究組織HEAT20が提唱してきたG2・G3という水準がベースです。

「冬の寒さも夏の暑さも、光熱費も本気で抑えたい」なら、いま多くの高性能住宅の工務店が等級6を一つの目安にしています。等級7は、コストをかけてでもさらに上を目指す人向けという位置づけです。

いえお
いえお

「これからは等級6が必須」という言い方をよく見ますが、正確に言うと、義務なのは等級4。等級6は「これから標準になりつつある高性能ライン」です。

等級6クラスの家で九州に2年住んだ実測|電気代・室温・結露

ここからは我が家の話です。国の最低基準(等級4)を大きく超える等級6クラスの高断熱の家で、九州で暮らして2年。実測で分かったことを正直に書きます。

電気代:実質負担は月およそ1.3万円(オール電化・実測)

  • 太陽光の売電を差し引いた実質負担は月およそ1.3万円(直近12ヶ月の実測平均)
  • いちばん高い真夏のピークでも実質約1万9,300円、真冬のピークで約1万6,600円
  • 冷暖房は一年中つけっぱなしの自動運転。ガス代はゼロです

九州のオール電化5人家族の平均的な光熱費と比べて同じか安いくらいの金額で、「家じゅうどこでも快適」が手に入っている感覚です。月別の全データは電気代の全公開記事にまとめています。

室温:一年中24〜25℃・冬も半袖

  • 一年を通して家の中はだいたい24〜25℃
  • 冬は半袖・短パンで過ごせて、部屋ごとの温度差がほとんどありません
  • 夏は帰宅してもムワッとせず、ジメジメしない

結露:2年間でほぼゼロ

前に住んでいた家では冬の窓がびしょびしょでカビにも悩みましたが、いまの家では窓の結露を拭く作業そのものがなくなりました。理由は結露がゼロになった理由の記事に書いています。

たてよ
たてよ

数字より、「冬の朝に布団から出るのがつらくない」のがいちばんうれしい変化。子どもが体調を崩しにくくなった気もします。

我が家のUA値は0.43|等級7には届いていません

正直に書きます。我が家は認定パッシブハウスですが、日本の断熱等級に当てはめるとUA値は0.43。等級6の基準(0.46以下)はクリアしていますが、等級7の水準(0.26以下)には届いていません。「パッシブハウス=断熱等級7」ではないんです。裏を返せば、等級7はそれくらい高いハードルだということでもあります。

いえお
いえお

うちも「最高等級」ではありません。それでも冬は半袖、結露はゼロ。等級6クラスでも体感は十分すぎるほど変わるという、ひとつの実例だと思ってください。

九州で建てるなら等級6と7どっち?|「等級6+夏対策+気密」が実感に近い答え

「せっかくなら等級7?」と迷っている方へ、温暖・多湿な九州目線での考え方です。

  • 温暖な九州では、冬の寒さ対策として等級7まで必要かというと、寒冷地ほどではないという見方が一般的です。等級6でも冬はかなり暖かく過ごせます(我が家がその実例です)
  • いっぽう九州の本当の悩みは夏の暑さと湿気。ここはUA値だけでは決まらず、日射をどう遮るか(深い軒・窓の外側のシェード・窓の性能)が効いてきます
  • 等級を上げるほど窓や断熱材のコストは上がります。予算は等級の数字だけでなく、窓・日射対策・気密(すき間の少なさ=施工の丁寧さ)にも配分するのが、九州では特に大事だと感じます

我が家も「等級の数字」だけで決めたわけではなく、気密や夏の日射対策まで含めて設計しました。九州では「等級6を軸に、日射のコントロール(夏は遮り、冬は取り込む)と気密をセットで考える」のが、2年住んでみての実感にいちばん近い答えです。夏の実際の暮らしは高断熱の家は夏暑い?の記事に、冬に寒い家の原因は新築なのに寒い理由の記事に書いています。

いえお
いえお

「等級7だから完璧」ではありません。同じUA値でも、夏の日射対策と施工の気密で住み心地は大きく変わります。工務店さんに「UA値はいくつですか?」に加えて、「気密測定はしますか?」「夏の日射対策はどう考えていますか?」と聞いてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 断熱等級6と7、体感の差は大きいですか?

九州なら、冬の暖かさは等級6でも十分に体感できます(我が家は等級6クラスで冬も半袖です)。等級7はさらに冷暖房が効きやすく光熱費も下げやすい一方、窓や断熱材のコストが大きく上がります。九州では「等級6を基準に、予算と相談して7を検討」が現実的です。

Q2. 九州は何地域ですか?UA値の基準はいくつですか?

九州の多くは6地域・7地域です。この区分では等級6がUA値0.46以下、等級7が0.26以下(国土交通省の基準)。南部沿岸・離島の一部は8地域で、UA値ではなく夏の日射遮蔽(ηAC)で評価され、等級7の設定はありません。

Q3. 等級4のままだと寒いですか?

等級4は2025年4月から義務化された新築の最低ラインで、ひと昔前の家よりは暖かいです。ただ「一年中どの部屋も暖かく、光熱費も抑えたい」なら等級5以上、できれば等級6が一つの目安になります。断熱は住み始めてから直すのが難しい部分だからです。

まとめ|等級6と7の違いと、九州での考え方

  • 等級6と7の違いはUA値0.46以下か0.26以下か(九州の6・7地域)。等級7は熱の逃げが等級6のほぼ半分
  • 等級4は2025年4月からの新築の最低ライン。等級5=ZEH水準、6・7はその上
  • 我が家はUA値0.43の等級6クラス。九州で2年住んで、実質電気代は月約1.3万円・室温24〜25℃・結露ゼロ
  • 九州では等級6+日射コントロール(夏は遮る・冬は取り込む)+気密のセットで考えるのが実感に近い

この家の住み心地の全体像は、こちらの記事からどうぞ。

そして「等級6クラスの家に、実際いくらかかって、何を後悔したのか」。初期費用・光熱費・後悔まで、お金のリアルを全部書いた有料記事もあります。等級選びで予算に迷っている方の判断材料にどうぞ。

▶ 家づくりの検討から会社選びまで、当ブログの全記事を「読む順番」に整理した保存版ロードマップまとめもどうぞ。

【note】高性能な家に2年住んだリアル|光熱費・初期費用・後悔まで全部書きます

参考(公式サイト)

※基準値は2026年7月時点の情報です。最新の内容は上記の公式サイトでご確認ください。

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