高気密高断熱の家はカビが生える?2年住んで唯一カビが出た場所

住み心地・暮らしのリアル

結論から言うと、2年間でカビを見たのは浴室だけです。それも壁や天井ではなく、床の角・排水口・タイルの目地に出るピンクの汚れが少し。黒カビは一度も見ていません。賃貸時代は同じピンク汚れがすぐ広がり、浴室の窓まわりには黒カビもありました。何が違うのかを正直に書きます。

いえお
いえお

「高気密の家は空気が閉じこもってカビが生えやすいのでは」とよく言われます。2年住んだ実感を、良いところも正直なところも含めて書きます。

2年間でカビを見たのは、浴室のこの3か所だけ

まず正直なところから。我が家でカビらしきものを見た場所は、次の3つです。

  • 浴室の床の角
  • 排水口まわり
  • 床のタイルの目地

いずれもピンク色の汚れが少し出る程度です。気づいたときにゴシゴシ洗えば終わり。放置して広がったことはありません。

2年間で一度も見ていないもの

黒カビと、浴室の天井のカビです。賃貸時代はどちらも普通にありました。ここが一番大きな違いだと感じています。

浴室以外——居室、押入れ、オープンクローゼット、窓まわり——では、カビを気にしたことが一度もありません。

賃貸時代との違い|発生ペースがまるで違った

賃貸に住んでいた頃も、同じピンクの汚れは出ていました。違うのは発生するペースです。掃除しても掃除してもすぐ戻ってきて、正直しんどかったのを覚えています。

そして決定的だったのが、浴室の窓まわりの黒カビ。窓のゴムパッキンや枠に黒い点が出て、こすっても落ちませんでした。

たてよ
たてよ

前の家は、お風呂掃除がずっと「カビとの戦い」でした。今はピンク汚れをたまに洗うだけなので、気持ちがずいぶん楽です。

なぜカビにくいのか|湿度が70%に届いていない

文部科学省の「カビ対策マニュアル」には、こう書かれています。

温度25℃のとき、相対湿度が70パーセントを超えるとカビは繁殖し、75パーセントを超えると、その増殖速度は急速に高まる

つまり相対湿度70%が分かれ目です。ここを超えなければ、カビは急には増えません。

カビがいちばん問題になるのは、高温多湿の夏です。その夏に我が家がどうだったか、実測をそのまま出します。

室内
夏のある日の昼 30.0℃ / 湿度 73% 25.1℃ / 湿度 50%

外は73%で、カビが繁殖する70%を超えています。それでも室内は50%。冬も室内は50%前後なので、一年を通して70%のラインに届いていません「カビが生えない家」なのではなく、「カビが増えにくい湿度が保たれている家」というのが正確な表現だと思います。

湿度の詳しい実測は高断熱の家は乾燥する?2年住んだ我が家のリアルな湿度にまとめています。

この湿度が家じゅうで保たれているので、湿気のこもる場所そのものがありません。我が家はオープンクローゼットですが、カビを気にしたことは一度もありませんし、窓の結露も2年間ゼロでした(結露ゼロになった理由と本当の対策)。

家づくりでできたカビ対策3つ

日々の掃除よりも、建てるときの選択の方が効いていると感じています。これから家を建てる方に、そのまま真似してほしい3つです。

① 浴室に窓と鏡をつけなかった

これは家を建てるときの選択ですが、効果が想像以上に大きかったので書いておきます。我が家の浴室には窓も鏡もありません

賃貸時代に黒カビが出ていたのは、まさに窓まわりでした。窓は外気で冷えるので結露しやすく、サッシやパッキンに水がたまってカビの温床になります。その窓が最初から無いので、カビる場所そのものが存在しません。

鏡がないのも地味に効いています。鏡は水垢とくもりの掃除が必要で、縁のシーリングもカビやすい場所です。無ければ拭く手間がまるごと消えます。

「浴室に窓は必要か」は好みが分かれるところですが、掃除とカビの観点では、無い方が明確に楽というのが2年住んだ実感です。

② 脱衣所を広くして、部屋干し+除湿機

これが一番おすすめしたい工夫です。我が家は脱衣所を広めに取って、洗濯物を干すスペースにしています。ここに除湿機を回して部屋干しします。

入浴後の流れはこうです。

  1. 浴室を拭き上げる
  2. 浴室の扉を半開きにする
  3. 脱衣所で洗濯物を干し、除湿機を回す

こうすると、浴室に残った湿気も脱衣所側に引かれて乾いていきます。洗濯物を乾かすついでに浴室まで乾く、という一石二鳥の状態です。

家を建てる方へ

脱衣所を広くして、部屋干しスペース+除湿機の置き場にする。間取りでできるカビ対策として、これは本当におすすめです。花粉の季節も一年中ここで干せるので、家事の面でも助かっています(共働き夫婦の家事がラクになった話)。

③ 掃除しやすい浴室を選んだ

設備の選び方も効いています。我が家の浴室はタカラスタンダードで、床はタイル、排水口まわりはステンレスです。

ピンク汚れが出ても、気づいたときにゴシゴシこすれば落ちる。素材が丈夫なので、力を入れて洗うのをためらわなくて済みます。「汚れない設備」ではなく「汚れてもすぐ落とせる設備」を選んだ形です。

毎日やっているのは、ゆるい拭き上げだけ

浴室には24時間の排気が効いていて、常に空気が動いています。加えて、入浴後に軽く拭き上げています。

ここは正直に書いておきたいのですが、「水滴を一滴残らず」というような厳重な拭き上げはしていません。ざっと水気を取る程度です。それでも黒カビも天井のカビも出ていません。

いえお
いえお

毎日の掃除をがんばっているというより、がんばらなくても済む条件が揃っているという感覚に近いです。窓が無い、換気が常に動いている、湿度が上がらない。その積み重ねだと思います。

換気設備そのものの使い勝手は第一種換気のデメリットは本当?2年使った我が家が正直に答えますに書いています。

「高気密高断熱で後悔」は、換気の話なのかもしれない

ここまで書いてきて、思うことがあります。

我が家が2年カビに悩まなかったのは、断熱や気密そのものより、換気が常に動いていることが大きいと感じています。湿気が出ても、行き場があって外に運ばれていく。だから溜まらない。

逆に言うと、気密を高めるということは、換気を機械に全部任せるということでもあります。昔の家は壁や窓の隙間から勝手に空気が入れ替わっていましたが、高気密の家にはその隙間がありません。

住んでみて思うようになったこと

「高気密高断熱にして後悔した」という声を見かけることがあります。カビ、息苦しさ、匂いがこもる——。ただ、それらは断熱や気密そのものの問題というより、換気とセットで考えられていたかどうかの差なのではないか、と2年住んで思うようになりました。

断熱材の性能や窓のグレードは、カタログで比べやすく、営業さんも説明してくれます。一方で換気は目に見えず、地味で、話題にもなりにくい。だからこそ後回しにされやすいのだと思います。

たてよ
たてよ

住んでいて換気を意識することって、ほとんどないんです。でも、それが止まったらどうなるかを考えると、いちばん大事な設備なのかもしれないなって。

これから家を建てる方には、断熱の数字を確認するのと同じ熱量で、換気の方式と経路も聞いてみてほしいと思います。どんな換気システムか、家じゅうに効くのか、フィルターの交換はどうするのか。カビの話は、結局そこにつながっています。

換気設備を2年使った正直な評価は第一種換気のデメリットは本当?にまとめました。

そこまで計算して、はじめて認定が取れる

我が家はパッシブハウス認定(ドイツのパッシブハウス研究所による世界共通基準)を取得しています。この認定が厳しいのは、換気を「おまけ」ではなく計算の一部として扱っているところです。

認定の計算では、換気による熱の出入りが熱損失計算に組み込まれます。さらに申請時には、気密試験の実測値に加えて第一種換気の風量調整レポートの提出も必須です。図面上の想定ではなく、実際に何m³の空気がどこを流れているかを調整して、記録して出す必要があります。

つまり、断熱・気密・換気・日射をひとつの計算に乗せて、全部つじつまが合ってはじめて認定が下りる。「断熱材はこれ、窓はこれ、換気はとりあえず義務ぶん」という足し算では、絶対に基準に届きません。

もちろん、家づくりのゴールが必ず認定である必要はありません。ただ、「換気まで含めて計算されている家」がどういうものかの見本としては、参考になると思います。認定基準の詳しい数字は見学会に10件以上行っても「高断熱」は見分けられなかったにまとめました。

まとめ|「カビゼロ」ではなく「カビにくい」

正直にまとめます。

  • カビはゼロではない。浴室の角・排水口・目地にピンク汚れは出る
  • ただし黒カビと天井のカビは2年間ゼロ。賃貸時代とは明確に違う
  • 効いているのは湿度50%前後(70%を大きく下回る)24時間換気窓なし浴室脱衣所の部屋干し+除湿機の合わせ技
  • 掃除はゆるい拭き上げで足りている
  • 「高気密だから後悔」ではなく、換気とセットで考えられていたかの差だと思う

「高気密だからカビる」でも「高断熱だからカビない」でもなく、湿度が上がらない条件をどう作るかの問題だと思います。そしてその条件の多くは、家を建てるときの間取りと設備で決まります。

関連記事:高気密高断熱の家は息苦しい?2年住んだ答えと、後悔しない全体像2年住んだ総まとめ|良かったことも誤算も全部書きました

保存版ロードマップまとめ|2年実測の全記事を読む順番に整理しました

光熱費や初期費用まで含めた全データは、noteでも公開しています。→パッシブハウスに住んで2年。光熱費・夏の暑さ・後悔まで、実際のところを全部書きます

よくある質問

Q. 高気密高断熱の家はカビやすいのですか?
A. 我が家の2年では、むしろ賃貸時代より明らかに減りました。気密が高くても、湿度が上がらない換気と間取りがあればカビは増えにくいというのが実感です。ただし換気が止まっていたり、湿気の逃げ場がない間取りだと話は変わると思います。

Q. 浴室のカビ対策で一番効いたことは?
A. 順番をつけるなら、①浴室に窓を作らなかったこと ②脱衣所を広くして部屋干し+除湿機にしたこと ③24時間換気、です。日々の掃除より、家を建てるときの選択の方が効いていると感じます。

Q. 毎日どのくらい浴室を掃除していますか?
A. 入浴後に軽く拭き上げて、扉を半開きにするだけです。水滴を完全に取るような厳重な拭き上げはしていません。ピンク汚れが出たら、そのときにこすって落としています。

Q. 高気密高断熱で後悔している人もいるようですが?
A. あくまで住んでみての印象ですが、断熱や気密そのものより「換気まで含めて設計されていたか」の差が大きいのではないかと思っています。気密を高めるほど、空気の入れ替えは機械に依存します。断熱材や窓と同じくらい、換気の方式も確認することをおすすめします。

※この記事は我が家の住環境の記録です。カビと健康の関係について判断が必要な場合は、専門家や医療機関にご相談ください。

【参考】カビの発生条件:文部科学省「カビ対策マニュアル 実践編」。室内の湿度は我が家の実測値です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました